ワンコ

5月の花嫁学校のワンコのレビュー・感想・評価

5月の花嫁学校(2020年製作の映画)
4.0
【民主主義の時代】

少し、肩の力を抜いて、リラックスして、社会問題を考えるような作品かもしれない。

60年代、アメリカでは女性解放運動が盛んになり、50年代から続く公民権運動と並んで、民主主義に対する考え方が、それまでより一層深まっていった。

フランスの1968年5月危機では、労働者のゼネストにより、労働者の権利に対する要求が大きく拡大する。

日本では、60年安保、全共闘などのムーヴメントが起こり、60年代は世界的な民主主義の時代なのだ。

この作品は、未だに古臭い因習から抜け出せない社会や、セクハラ、硬直的なLGBTQへの考え方・姿勢などを散りばめながら、昨今の#MeTooのムーヴメントを想起させるようなアルザスの女性たちの権利に目覚めていく姿を、この5月危機の出来事と併せるように、コミカルに、そして、小気味良く見せている。

※ アルザスは、フランスとドイツが幾度か領有を巡って争った地域だ。
複雑な土地柄ということもあって、この場所が選ばれたのかもしれない。
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