2022/7/16
阪神淡路大震災で一人娘のれいこを亡くした夫婦、伊智子と太助。震災が起きた正にその時、伊智子が不倫相手とセックス中という設定に度肝を抜かれる。そして、太助はれいこのぬいぐるみを手放せないでいるけれど、伊智子はあっけらかんと様々な男性と付き合ったり別れたり。が、れいこの死を悲しんでいないのではなく、伊智子は“ダボ”（兵庫の方言でバカの意）に徹することに決めたように思えた。恐らく、れいこに関わる物は見ないように生きてきて、太助が持っていたれいこのぬいぐるみを見て「感情の崩壊＝ぬいぐるみで太助を打つ」に繋がった気が。ラストは震災から約20年後、伊智子と太助を始めとする町の人々も年を取り、既に亡くなった人たちもいる。何もかもが時間と共に変わっていく中、ウルトラマン好きの彼は変わらないものの象徴のよう。
