れいこいるかの作品情報・感想・評価

上映館(5館)

れいこいるか2019年製作の映画)

上映日:2020年08月08日

製作国:

上映時間:100分

あらすじ

「れいこいるか」に投稿された感想・評価

関西弁になじみがないので、最初のほうは苦手なやつかもと思ったけど、後半は今日暑くて熱中症っぽくて頭が痛かったのでポカリスエットを2リットルくらい飲んだせいか、ずっと泣きながら観ていた。スナックの看板が出てきたり、実家の立ち飲み屋さんや卓球場が出てくるだけでなんとも言えない気持ちになった。登場人物が考えたってしょうがないと思って感情を殺そうとして表情や声に出さないようにするから余計そうなる。ジャンパーを来て買い物袋をさげて歩いたり、出勤したりコインランドリーへ行ったり歩いたり笑ったり冗談言ったり恋をしてやり過ごすしかないし、泣くのは一番子供がわかいそうすぎるし。自分だったら泣けないだろうな。へらへら笑うかもしれない。他の人に言ったってしょうがないし。一番気になっていて、まだその渦中に自分がいるので、どうしても中心は避けてしまうし。思考が止まったような死んだような奥のほうの感情が自分にもあると思った。それってトラウマ?記憶は人の心の中にあるんじゃなくて場所にあるのかも。イルカが見れたということはやっと渦中じゃなくなったのかも。それかそうであってほしいと思ってイルカかわいいなと思って見ていた。笑ってるような顔に見えるし、光が綺麗だし、亀も上の方へ泳いでいたし。イルカが生まれかわりって思うのはセンチメンタルすぎるけど、そうだったらいいなくらいは思った。亡くなった人のことを思い出すと死んだことを認めたことになるから、なるべく考えないようにしてどこかにいるように思って処理することは自分にもある。タイトルってそのことなのか。今気がついた。だじゃれも入っていたのか。あと道で歩いてる全然知らない人でもこういう人もいるのかもしれないけど、その人の事情は知らないのでなんとも思わないですれ違ったりしてるのかもしれないとも思った。
神戸の街に入り込み、大胆な省略に乗せられて20年の時を飛び越える不思議な映画体験。その道標としての宏さんが効いてる。

このレビューはネタバレを含みます

人間の情と業、生きるということをまじまじと感じさせてくれる、ものすごい傑作。ぜひ観てください。


以下、思ったことなどをとりとめなく垂れ流していきます。ネタバレ含みますので、観てない人は読まないでね。







チケットにおまけとして監督や俳優さんたちの書いた感想文がついてきて、私のは俳優の水澤紳悟さんによるものだったのですが、水澤さん、鉄人28号とマジンガーZを間違えていらっしゃっていて、まあ、でかいロボットには違いないし、たまたま鉄人28号の像が長田区にあったから撮ったというだけのことで、そこに深い意味はおそらくないと思うのですが、リモコンの所有者によって正義にも悪にもなる鉄人28号という存在をこの作品に照らし合わせて深読みしようと思えばできるわけで、そこはちょっと間違えないで欲しかったな、と。残念でした。

上映後の舞台挨拶で「彼女の目が突然治った理由がわからない」とおっしゃっている方がいて、これも残念だなーと。ひろしさんが彼女にウルトラセブンのソフビ渡したでしょ。セブンって、何で変身するん?ウルトラアイでしょ?ちゃんと目にかかったアイテムを渡しているじゃない。そこは直接的に表現してないけど、なんとなくでいいから察せないものかな…と思ったけどこれ意外とわからんものですかね。セブンとか、私が思ってるほど認知度高くない?

バーというかスナックで主人公が日本酒を頼むシーン、供されたのがパックの菊正宗「キクマサピン」で、なんつー安い酒を…と。私も大概ドヤに近いところで昼間から飲んだりするけど、さすがにキクマサピンがそのままでてきたことはない。多分そんな感じの安い酒を飲まされることはあっても、おそらく一升瓶に移してるから。あれは強烈なシーンだったなぁ。まあ、そういう地域なんだけどね。本当に貧しい一帯で、そこから出られず、アル中になっていく人たち。たまらなかった。そういう人たちのこういう話って、この地域(播州弁を使う人たちが住むところ)でないと、リアリティないだろうな。
asuka

asukaの感想・評価

3.7
人は月日とともに変化していくものだと思う。
もちろん変化しないこともある。

大切な思い出を忘れてしまうことや、ふとしたときにそれを思い出して「ああああああ」ってなったり(笑)
移ろいゆく季節に合わせて時代、そして人が徐々に変化していくんだよね。


25年前の阪神淡路大震災。
私は実際にそれを経験してはいないけど、職場の先輩方からその時の大変な状況について色々教えていただいた。
聞くだけでも怖いこと、しかしその中で希望を持って生きていたこと…
震災のシーンが怖かったらどうしよう…と思っていたがそこはあまりリアルではなくて少しホッとした。


作品がオール神戸ロケとのことで見たことのある、歩いたことのある場所がたくさん。
THE神戸!ではなく本当に下町や、路地裏。
わ、こんなところもあるんだ!?って場所まで切り取られていたことがとても印象的。

役者さんの1人1人の演技が素晴らしくて、ハッとさせられる表情や声色。
静かに描かれる作中に、自分ではうまく言語化できない何かを感じ取った。
ryota

ryotaの感想・評価

-
人は色んな事を、忘れて生きていく。
の?そうなの?

僕はまだ、この物語で描いていた25年間という時間、しか生きていないから分からないの?

忘れちゃいけない事は忘れたくない。

生活感。
子役。
芝居。
素晴らしかった。
優しくて泣いた。

淡々となんてしてないよ。みんな必死に生きてる。

突然人がいなくなっていくのだって人生そんなもんだよなあって思ったり、だからこそ変わらずにいる「ジュワッチ!」なあの人の存在は実に映画的だし象徴的。

本当に素敵な映画です。神戸の人間としてずっと大事にしていきたい。
Taul

Taulの感想・評価

2.5
『れいこいるか』鑑賞。くもった映像、子芝居感、奇跡が起きる脚本、時代感の欠如と気になる点はきりがないが、あんな経験をしたら彼らみたいにバイタリティ溢れて生きていけない自分を知ってるので励まされるような気分に。辛抱強く見ていくととびっきり光るシーンも待っている。これもまた映画体験。
神戸ってキレイに撮ろうと思えばいくらでもキレイになるのに生活感満載の映像なのが素敵。空めっちゃ灰色やもん。ほんとに良い映画。
ほぼはじめてのいまおかしんじ作品。誤解を恐れずに言えば、ちょっと肩すかしをくらった。

挙げればキリがないほどの非の打ち所。ただ、そんな弱点になりうる要素さえもチャームポイントに変えてしまうところ。卑怯と言えばそれまでだが、やっぱりそこがすごい。

かと思えば、一気に緊張感が高まり、「ああ、いまこの作品に呑み込まれているな。」と思わず涙を流してしまう瞬間。特にスクリーンにうつる人物が少なければ少ないほど、激しさを増すそのうねり。さっきの仕草はこのシーンで活きてくるのだな、というそのさりげなさ。

思えばそんなことの連なりで成り立っているようで、それはあたかもなにかしらの生き物のようだ。

いまだに観ても観なくてもいいようなどうでもいい映画が量産されるこの国だが、この作品は本当の意味でいい映画。うん、本当にいい映画だった。

蛇足ながら、あの尻に救われる人って結構いるだろうな。と、入場者プレゼントでもらった山下敦弘監督の感想文をほぼ流用。

このレビューはネタバレを含みます

下手をすれば残りの100分間に不安を覚えかねないような、最もエキセントリックで、特権的な色彩を与えられた人物による叫び声で物語の幕が開く。

思い返すとあの意味不明な叫び声が狭量なリアリティの壁を打ち破る魔法のトリガーになっていて、後々発生する出来事もすべて、それらが突飛であることで逆説的にキャラクターや映画自体の豊かさに繋がっていくという、そろばんずくの仕掛けだった。

以降はふたり以上人物が集まれば、おそらく土地のネイティブスピーカーズによる衒いのないセリフと(長回しの場面も結構あったと思うが)軽妙な会話の間で笑いとドラマが集積されていく。並行して、かの人物はまるでそれらを繋ぎ止める街や街の記憶そのものであるかのように、ひとりの人間でありながらも各時代/場所に偏在しプリプリしたケツを出すごとに神性めいたものを帯びていき、不在を感じさせるとある場面でそれが確信に変わる。舞台が「ひとつの街」であることを描くのって本当に難しいと思うんだけど、これはキマッている。

メインプロットの男女の関係性として、男は明確に「過去」の象徴で、女の心象風景に呼応するように近づいたり遠ざかったりを繰り返すのがとても面白い。画面の奥行きを使った距離感の表現と、「心に遠慮することなんかない」というセリフとが、僕のこころのやらかい場所をなんとやら…。

いちばん印象的だったのは場面転換の巧さ。なんでこんなにも差異と反復を自在に操ることができるのか…。シークエンスの変わり目に髪型や服装が明確に示唆するものとこちらの予測との間のズレ(「あのルックスで死に装束がスピードスター…」を含む)が巧妙すぎる。説明字幕は一切出さずに空白期間を物語る熟練の技で、作中に自己言及的に「脚本教室」が現れる余裕が恐ろしい。自分にとっては「いるか/いないか」よりもむしろ、「ハンガーが掛かるか/掛からないか」の映画として記憶されることになるだろう。
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