アラシサン弐

VIDEOPHOBIAのアラシサン弐のレビュー・感想・評価

VIDEOPHOBIA(2019年製作の映画)
3.8
デジタル性被害がテーマではあるけど、どこか浮世離れした世界観で、良い意味で現実味が無い。

モノクロで映された大阪のアンダーグラウンドも、日本だというのに架空の街の景色でも眺めているかのように違った顔を見せる。

効果音で分かりやすく緊張感を煽ってくるけど、どちらかというと予期せぬ不条理が超自然的な角度から起きる瞬間が怖い。
動画の画角が増殖するの嫌すぎる。

サヘル・ローズが出てくる変なセミナーのシーンなんて、最早ディストピア物でも観てるんじゃないかと錯覚するような不気味さがある。

画面の前で知らない男に自慰行為を容易く見せるのに、動画の流出に対しては凄まじい行動力を使うのは、ネット社会でのカメラに対する無意識の信頼と、そこに孕んでいる危うさの矛盾をぶつけられてるようだった。
アラシサン弐

アラシサン弐