モノクロ作品であることとジャケの感じが好きで鑑賞。
東京で女優の夢破れて大阪のコリアンタウンで暮らしながら自己肯定感が低いのか自分を出さずに着ぐるみのバイトをする女が、クラブで出会った男と一晩限りの関係をもち、隠し撮りをされた映像をポルノサイトにあげられたことから、だんだんと精神が追い詰められ、アイデンティティがゆらぎ、取れない仮面で自分ではない自分になる話。
モノクロ映像に重低音の効果音が効いてて不穏なパンチがあるのは良いけど、音や映像だけに頼らず恐怖を感じて狂う抑揚が欲しかったからか物足りなさが少し残る。
演技のワークショップでの"自分じゃない自分になる"という自己全否定的な部分と自助グループでの"あなたは悪くない"という全肯定的な部分と宗教的な薄気味悪さが印象的。サヘルさんの自然だけど印象的な演技が惹きつけられる。
どうしても気になってしまったのはカメラの画角のせいか、モノクロだからカラーよりも寄りで撮ったからか、画面上の余白がなくギチギチの構図だったのが個人的に出だしから気になってしまった。余白が足んなくて感情や場の雰囲気が伝わりずらいのと見づらい！
東京には色々な事情で自分じゃない自分になって都会に溶け込んでいる人がたくさんいるのかもなとも思った。
