賢しげな虚無の応酬
原作を読んでいないので、どこまでが原作通りでどこからがアニメ版の解釈なのかわからないけれど。
以前視聴してみて、つまらないと感じてしまって最後まで観られなかった作品。
押井監督作品を続けてみたので観直してみた。
終始登場人物がボソボソ喋るのでヘッドホンじゃないと会話を拾いにくいと思う。
押井守監督の言っていることは大抵虚無なので、周りにある、絵とかシーンとか音楽とか(大抵は監督の嫌いそうなタイプのもの)の美しさが大切になると思うけれど、この作品は原作が小説のせいかそういう魅力が少し足りないように感じた。
おそらくは意図的だろう抑揚を抑えた台詞がいっそうその印象を強めている気がする。
この監督はずっと世の中に置いていかれる恐怖を描いている気がする。そういう意味で職人というよりはアーティストよりな人なのかもしれないけれど、自己憐憫が強すぎる様に感じてあまりそこには感情移入できない。
