まっつ

BURN THE WITCHのまっつのレビュー・感想・評価

BURN THE WITCH(2020年製作の映画)
1.2
Filmarksにおける私のアイコンは自分で描いたイラストで、画風に一番影響を受けたのは久保帯人、という立ち位置です。『BLEACH』自体を熱心に追っていたか?と言われると口ごもってしまうけど、原作の流れはおおかた掴んでいるつもり。『BURN THE WITCH』の原作も読切から一通りチェックし、コミックスも購入済み。

久保帯人の漫画で何が好きかって、映画的/ドラマ的なショットが溢れていること。場面の切り取り方、アバンタイトルにおけるフリとオチ、そのバランス。他にもポイントはいくつかあるが『映画/ドラマを見るように漫画を読む』という体験が彼の作品ではできるし、そのスタイリッシュさに私はいまだにワクワクさせられている。

翻って、本劇場版。見事にそれらが潰されていた。原作第1話『BURN THE WITCH』のロゴが出るシーンを動画で観られなかったのは正直つらい。あの上下が切り取られたサイズや画角はスクリーンでこそ映えるシーン。なんなら「スクリーンでやってくれ!」という気概すら感じるものだったが、それはさっくりカット。もっさりとロゴが立ち現れる様はちょっといただけない。原作の難点であった説明過多なシーンもそのままなため、物語全体がドライヴしていく感じもない。そこはなんとかできなかったんか……
読切版のシーンを混ぜつつこれまでの物語を忠実になぞる作りなので、ファン向けムービーではある。しかしそれ以上のものでは全くないし、映画としてどうなの?という気持ちは正直否めない。
まっつ

まっつ