まぐこ

ブロー・ザ・マン・ダウン~女たちの協定~のまぐこのレビュー・感想・評価

4.0
Amazon prime オリジナル作品。
好きな俳優さんが出演しているため、個人的に日本でも観れてとても嬉しい。
個人的にキャストだけで映画を選んだときはあまり作品に期待はしないのですが、本作はとても満足感のある作品でした。

重苦しくも軽妙な雰囲気の作品。
重低音の音楽も良かった。
あくまでもジャンルはサスペンス、ドラマ、コメディ…
タイトルでも何となく分かりそうですが、
これは「女性の物語」です。

<ネタバレ>

人を殺し共犯者となったコノリー姉妹も、街にそぐわず売春宿を経営し続けるエニッドも、全ての責任をエニッドに押し付けた街の女性たちも、本作の登場人物は「完全悪」とは言い切れない哀愁漂う悲哀な雰囲気を漂わせている。

また保安官二人をのぞいて男性が全く本編に絡んでこないのが印象的。
イースター・コーヴは「女の世界」であると感じた。

はじめは街の女性たちを守るために生まれた売春宿でしたが、時代を経たことと共通の友人でもあったコノリー姉妹の母が亡くなった事で経営者・エニッドと街の女性との溝は深まる。
エニッド本人の考えは昔から変わらない、「自分はこの街の娘たちを守っている」と思っている。そのため「娘たちは自分に感謝するべき」だと思っているし、無神経にも守られながら平和に生きているコノリー姉妹たちにも腹が立つのだと思う。

最期のコノリー姉妹が殺した男を詰め海に捨てたはずのクーラーボックスを、街の老婆が姉妹に微笑みかけながら洗っているとても不気味で意味深なシーン、たとえ町の少女が人殺しになっても、「この町は女を守る」という強い意思を感じました。

余談…
メアリー・ベスに殺された彼、どこかで観たことある顔だなーと思ったら、エボン・モス=バクラックはパニッシャーにもご出演されている方でしたね。一度見たら忘れられないいい意味でワルな顔してますよね。
まぐこ

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