門倉カド

滑走路の門倉カドのレビュー・感想・評価

滑走路(2020年製作の映画)
2.5
群像劇の見事な重なり合い。生きる苦悩と、一縷の希望。

【賛否両論チェック】
賛:群像劇の見事なリンクを通して、生きていく大変さや、その中で垣間見えるわずかな希望を感じさせてくれるよう。
否:過激なラブシーンや、暴力によるいじめのシーンがあるので、苦手な人には向かない。

 本作で圧巻なのは、群像劇同士の見事な重なり合いです。あまり言うとネタバレになってしまうので、詳しくは是非実際にご覧になっていただきたいのですが、生きていくことの大変さは勿論、それでも生きていかなければならないことの大変さと、その中で見える一縷の光を感じさせるような、そんな展開になっています。
 そして人間はみんな、人それぞれ決して小さくない傷を抱えながら、それでもその傷と向き合って生きているんだということも、改めて教えられるような気がします。
 ラブシーンや、目を背けたくなるようないじめのシーンがあるので、軽い気持ちでは観られないような内容ではありますが、世知辛い今の世の中を必死で生きる全ての人に、ご覧になっていただきたい作品です。
門倉カド

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