のすけ

滑走路ののすけのレビュー・感想・評価

滑走路(2020年製作の映画)
4.0
秀作。作品に120分一気に見せるパワー有り。
水上あさみって今までほとんど気にしてなかったが、いい俳優だと思った。中学生の二人も良かった。
滑走路の延長線上で、二人がその左右に分かれ互いの道に進んでいくラスト。その後待ち受ける世界は簡単じゃなくて、悲しい世界であることも分かるからこそ、単なる感動のラストではなくなんとも言えない複雑な感情にさせてくれる印象的なラストだった。
イジメ、仕事、妊娠…どれも本当に重い。自分自身も生きていく中で少なからず辛いと感じる時があったりするが、亡くなった人達はもっともっともっと、自分たちが想像もできないような痛みを抱えてきたんだろう。
強い人間などいないよなと最近思う。自分自身強い人間と自負していた時期もあったが、今は脆い自分に気付かされる瞬間が多くある。弱いからこそ、本当の優しさや強さを知るのかもしれない。弱いからこそ、自分も他人もいたわれる人間になりたい。