たき

滑走路のたきのレビュー・感想・評価

滑走路(2020年製作の映画)
4.5
「滑走路」を観る。

ずっと気にはなってたんですが、見るからにドストライクかつ観るのに体力いりそうだったので、コンディションが整うのを待ちました。

三連休初日。昼まで寝てた。よしばっちり。

と思ったのも束の間、もうね、なんかね、隼介が翠の絵の前で立ち止まった時点でやばかった。つらくて苦しくて、ようやっと拠り所見つけたのか(でもこれも手放すことになるんだろうな)って思い始めたらなんかもう目から昨日のレモンサワーが溢れてきちゃって大変でした。コンディションどころか琴線もきっとぶっ壊れてるんじゃないかと思うのです。←ある意味コンディション整ってんじゃねえか。

自分を好きになるって、むずかしい。

世界はいつからか、こんなにも理不尽に成り果てたから。
不条理ないじめや、間違った選択ばかりしてきた過去の自分。親からの愛情不足が、自己肯定感を完膚なきまでに叩きのめしてくるのですな。

こんなに間違いだらけでちっぽけな自分、好きになるどころか見たくもないのは当然で。
だけどこのお話はやさしい。
どんな選択をしたって、きっと受け入れてくれる誰かがいると、何度も繰り返してくれる。

隼介の母親がすごい。厳しくて、残酷で、だけどこれこそが愛。
未だに俺にとってはフィクションだけど、世の母親がみんなこんなひとだったらいじめも諍いも戦争もなくなるんじゃないかと思わせる。

中学時代の隼介と翠の全カットが尊い。
名前で呼んでの一連のシーン。ぜひともスクリーンで観たかった。

自分を好きになるって、ひとりでがんばらなくてもいいんですかね。
たき

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