大木茂

100日間生きたワニの大木茂のレビュー・感想・評価

100日間生きたワニ(2021年製作の映画)
3.3
当時は邪悪なエコーチェンバーの所為で
何が正しい何が正しくなくて
誰を信じる信じない
嘘も本当も上っ面の言葉の意味なんてどうだっていいだろ〜
って感じだったけど
もう誰も話題にしてない今
ひっそりとアマプラで配信されてるのを見つけてチェックしてみたけど
意外とわるくなかったな

前半は原作通り?で若干死語連発独特の間はありつつ
(まぁこの後死ぬんですけどね)を念頭に
かけがえのなさそうな日常を楽しめてエモい感じで
後半からはまさかのカエルパート
あまりにも空気に馴染めなさ過ぎて共感性羞恥と
学生時代のグループの違いを思い出させるような居心地の悪さを感じざるを得ないかった
観終わるとやっぱカエル要らないんじゃね?ってなりそうだったけど
外界から来た何かの象徴なのかな?とも思ったり…それは読者なのか、監督の目線なのか、手のひらを返した者達の鏡なのか…
ノリ違いますかね…?は分かってるのに止められないジレンマなのか初動をミスした学生みたいで痛々しくて逆に良かったな

左手は添えるだけ→からのモグラ(木村昴)は暗示かしら??
なんだかバスケコートもリョータソータの場所っぽかったし

公開当時から一番気になってたのは
スタッフクレジットに花畑まうこと
湖川友謙(こがわ とものり)先生が絵コンテで参加していた事だよね

ある意味オッドタクシー ぽくもあるけど
喋らない動物がいるって世界観はどういう事なのかしらね
ワニとネズミの会話に人はそう簡単に死なねぇよとか言うしね
まあ野暮すぎるけど

登場人物って分かりやすく幸せとか不幸とかってないリアルな雰囲気だけど
口開けてて笑ってるように見えるキャラデザみたいなのがなんだか泣けてくるんだよな
生きてて号泣したり絶望したり歓喜したりなんて普段しないからそういう妙なリアル感がかえって良かったんだろうな
そのせいで変な間が生まれちゃってるわけなんだけど
それが隙になってるのかもね
大木茂

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