ホマ蔵

100日間生きたワニのホマ蔵のレビュー・感想・評価

100日間生きたワニ(2021年製作の映画)
2.0
この作品に本気で向き合ってみようという瞬間がカレーを作った際に奇跡的に訪れたので見た。62分という頑張れば完走できそうな尺なのが私をその気にさせた‥!
原作は当時話題になっていた時に拝読しており、映画化したときの世間の反応・評価なども見て「虚無」であることは間違いないと思っていたので期待どころか「どこまで耐えられるかの修行」という気持ちで見た。

感想は開始5分で不安になり、途中飽きて6回ほど時計を見てしまった。
絵のタッチもきくち先生の独特のイラストタッチではなく、アニメで見易いようにアレンジされていて、原作特有の癖や空気感もなくなっていた。
「映画館上映」「感動路線」とおそらく偉いさんが決めたのでしょう。
作り手の方たちはこの素材でオーダー通り完璧に作り上げた。
何なら原作通り何もないまま終わるわけにはいかないと前編後編に分けて後編はオリジナル要素を入れて作品としての見応えを作ろうという努力さえ感じられた。
しかし素材が映画に向いていなかったので、面白くなかった。

絵柄に関しては原作に寄せすぎると60分耐えきれないのと感動路線の演出にそぐわないから変えたんだろうなと思う。
この作品は1分アニメで100回に分けてきくち先生のあの独特の絵柄で何事もなく終わるみたいな作り方をするほうが良かったんじゃないかな。

私にはこの感動路線が安易に稼ごうとした企業の画策に見えてしまって純粋に楽しむことはできなかったが曲や歌、演出や声優さんの演技など、作り手の感動させようという要素がふんだんに使われていて、原作も当時話題になった瞬間も知らない世代が初めて見ると感動したりするのかもしれない。
なので20年寝かせて次世代に託したいと思う。
ホマ蔵

ホマ蔵