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ウィロビー家の子どもたちのコマミーのレビュー・感想・評価

ウィロビー家の子どもたち(2020年製作の映画)
3.8
【どんなに嫌われても】

※本作はとても"複雑なキャラクター設定"がある作品ですが、ちゃんと親子共に楽しめる作品になっています。


新型コロナウイルスの影響で、"数々の子供向け映画の公開が延期"になるなか、我々や劇場に行けない子供たちにとって救世主なのが、レンタルビデオ店(一部休業)や"動画配信サービス"である。
何か、お子様向けにオススメ出来る作品を、動画配信サービス内で見つけるならば、それは正解だ。なぜなら、独自で作られた新作揃いだからだ。

その中で、出てきたのはこれだ。

ビジュアルで言うと、スタジオ・ライカの作品を彷彿とさせるようなデザイン。恐らく、これは憶測に過ぎないが、これも"ストップ・モーション"で撮られた作品だ。キャラクターも、かなり特徴的。
「これは良い❗」と思ったが、実はこの明るい感じのアニメーションとは裏腹に、とても"不幸な内容"であることだ。
…といっても、ラース・フォン・トリアーの監督作や、「マザー!」のような作品を思い浮かべるだろうが、そういう訳ではない。

ジム・キャリーのレモニー・スニケットを思い浮かべて欲しい。つまり、"孤児"が主人公の物語だ。「ウィロビー家」という、歴史ある家庭に生まれた"四人兄弟"だが、この子達に関しては何も申し分がない。問題は、"両親"の存在。
コイツらは、"筋金入りの子供嫌い"で、ろくに"子育てはせず"、イチャついたり、遊び呆ける始末。家柄も何もあったもんじゃない、"ワガママな性格"であった。

そんなクズの下で育ったとは思えないほど、頭が良く、"思いやりがある子"に育った四人は、"長女の思いつき"で、あることを敢行する。

この作品を、ぜひ、子を授かろうか迷っている親達に観てもらい。この作品はなぜなら、むしろ"親向け"の作品だからだ。
ここに出てくる、このクズ親を"反面教師"にして、何かを学んで欲しい。

"どんなに嫌われても"、このクズを"好きになろうとする気持ち"、"助けようとする気持ち"が、この作品では、より親身に伝わってくるからだ。

そんな意味で、この作品を"家で観ることの意味"が完成するアニメーション作品なのでした。
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