みおこし

四十二番街のみおこしのレビュー・感想・評価

四十二番街(1933年製作の映画)
3.6
元祖大ヒットミュージカルの先駆けとも言える本作を鑑賞。

女優ドロシー・ブロック主演でミュージカル『プリティ・ガール』が制作されることになり、敏腕演出家のマーシュは出演者たちに厳しく稽古をつける。しかし、彼の思うように演出はそうそううまくいかず...。

マーシュ役のワーナー・バクスターといえば、第2回アカデミー主演男優賞を取った人物として知られていますが実際に動いてる姿をほぼ初めて見たので新鮮でした(笑)。それ以外はほぼ知っている役者さんがいなくて、本当にミュージカル黎明期のキャストという感じ。唯一ダンサーの1人を演じている女優さん、よく見たらジンジャー・ロジャースでした!まだアステアとコンビを組む前でなんとなく初々しかったです。

あらすじとしてはミュージカルの成功に向けてみんなが思考錯誤しながら愛も芽生えて...というお決まりのバックステージものでしたが、昔の映画と思えないくらいテンポが良くてサクッと観られました!
ミュージカルシーンが思った以上に短いのが淋しかったけれど、それでもやっぱりクライマックスは圧巻!!主題曲の'42nd Street'が歌われるんですが、長回しで街を再現したセットにズームインしたりズームアウトしたり...。めまぐるしく変わるニューヨークの街の様子を映しながら繰り広げられるダンスは一見の価値アリです。
振り付けも素晴らしいけど、それ以上に布やパネルを使ったマスダンスが画期的で、それを上から撮ったり...古典的だけど今観ても「すごい...!」と唸ること間違いなしです。どれだけ練習したんだろう。バズビー・バークレイが全ての振付を監修したとのこと、天才すぎる。

いまから84年前も、こんな風に観客を歌と踊りで楽しませるという発想はあって。何だかミュージカルだけは何年経っても途絶えない文化な気がします。
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