「何これ、夢！？」
「船越英一郎さん出てきそう」
「これは、これはお別れの前の幸せなひと時なの？」
「お願い、別れ話なら帰りの車中にして、今夜だけは今夜だけは勘弁してぇ」
「1番近い人間に本音言わないで誰に本音言うんすか」
「会いたくないってきついよな」
「ああ、カロリーがー大丈夫大丈夫、朝だから」
「良いじゃないか、俺とお前だけで」
「分かんないけどさ、誰かの嬉しいことって、嬉しいじゃない」
「俺が良いよ、良いよって言うのはしろさんへの思いやりとかじゃなくて自分の為なのーそれは違う」
「ああ、もう寝ろーお風呂入っても良いの？」
「お母さん、悪いけど言い方少しきつくなるー良いわよ」
「悲しくないお葬式って良いね」
「あ、これ枕カバーみたいなのね」
「やだ、そう言う選択肢もあったの？」
「やだ、トムー誰だよトムってーいや、トムクルーズよ」
「俺ね、しろさんと二人、すっごい幸せ、泣きたくなるくらい幸せ、でもね、二人だけじゃダメなんだよ、二人だけで生きてるわけじゃないしね」
「けんじ、俺は今ここを歩いている全員にお前のこと自慢したいよ」
「きれいだなって、隣にいる人に言えるの良いな」
