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Blutch(原題)のKAZUのレビュー・感想・評価

Blutch(原題)(2018年製作の映画)
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ドキュメンタリーにつきスコアレス(記録用)
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辺境マニア垂涎の眼福な映画。フランス人の冒険家がタジキスタン→パキスタン→インド→ネパール横断→印シッキム州→バングラディシュ→印アルナーチャル・プラデーシュ州と、国境を越えてパラグライダーとトレイルで旅をするという記録映像。

インド北部、領土の帰属問題で紛争の絶えないカシミールのあたりをかすめていたり、印パ国境をするっと抜けてみたり。最後はインドが実効支配しているアルナーチャル・プラデーシュ州なるエリアに着陸。飛行ルートを地図上でトレースするだけでもなんだかひやひやする。そして勉強になる。

国際政治的にはいがみ合いの途絶えることのないエリアを、悠々と飛び越えて(乗り越えて)4ヶ月もの期間をかけて旅をするフランス人のおっさん。なんかその設定だけでも快哉を叫びたくなる。降り立ったそれぞれの土地で地元住民と言語の壁を越えて仲良くなっちゃって。コミュニケーションツールはバイオリンとお酒とITデバイス。

字幕ナシのフランス語の作品なので地名以外に何を喋っているのかは全く分からない。でもそんなの全く気にならない。美しい空撮映像と訪問地の人々の息遣いがリアルに伝わってくる風景。テロップもないから自ずと映像に集中せざるをえない。こんなこと話しているんだろな、なんて想像してみるのも楽しい。

ある意味最強レベルのYouTuber作品なのかもしれないですね。そしてこんなとき、自撮り棒は偉大です。
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