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護られなかった者たちへのusagissyusubのレビュー・感想・評価

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)
5.0
完成披露試写会にて鑑賞。

タイトルや東日本大震災後のお話だと
聞いて、正直観ることに躊躇しました。
ですが、コロナ禍の今だからこそ観るべきだと思いました。

東日本大震災から9年後、宮城県内で全身を縛られたまま放置・餓死させられるという信じがたい連続殺人事件が発生。被害者男性たちは周囲から慕われる人格者。阿部寛さん演じる笘篠誠一郎は、2つの事件からある共通項を見つけ出す。そんな中、佐藤健さん演じる利根泰久が容疑者として捜査線上に浮かび上がる。生活保護という、複雑な問題が絡み合って進んでいきます。

アニメ映画「岬のマヨイガ」を観ているような人間関係。
避難所で出会った血の繋がりのない3人が
心を開き、いつしかお互いをかけがえのない存在だと身を寄せ合って支え合って暮らすー。
そんな中悲劇が…

困窮した時にこそ、人間性が出ると思います。自分だったらどうか?折々自分に問いかけながらこの映画を観ました。

誰も間違ってない。
だからこそ辛い。

心臓をギュッと掴まれるこの感じ…
今まさに現実社会でも起きているであろう事実。
今も答えは出せないし、見つかりません。
だからこそ、一石を投じる映画だと思いますし、繰り返し考え、皆で答えを探していかなければならないと思います。

奇しくも終戦記念日の8月15日に
この映画を観て、一層身が引き締まる思いです。

大切な人とぜひ一緒に観ていただきたい映画です。
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