すーとらまん

護られなかった者たちへのすーとらまんのネタバレレビュー・内容・結末

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

恥ずかしながらこの映画を見て震災の事を思い出し、そうだよなまだ終わってないんだよなと気づかされた。
関東地方に住む自分は震災直後は、仕事が忙しくなったり、計画停電があったり、ガソリンがなかったり、道が使えず渋滞したりと、震災の影響は少なからず受けたが、時間がたち、通常通りの生活できるようになった今、意識としてはまだ終わってないとはわかっているが、やっぱり他人ごとになっていて、過去の事になっていた。これは反省しなくてはいけない。非常に恥ずかし話だ。
そんな事を気づかされただけで観た価値があるし、震災の事を少しでも思い出すだけで、震災を描く意味があると思う。

この映画は生活保護の問題を浮き彫りにしながらも、ミステリーとしてエンタメとしてしっかり面白いので、ぜひ沢山の人に観てほしい。

生活保護に付いて回るネガティブな印象ってどうにかならないもんなのか。
不正自給は問題外だと思いたいが、なくなる事はないだろうし、生活保護受けている人への世間の目も厳しく、「働かざる者食うべからず」的な考えや、「自分がこんな大変な思いして働いてこれしか貰ってないのにずるい」みたいな、生活保護の問題と言うより、景気などから来る賃金の問題だったりと生活保護を受けづらくする要素がたくさんあるが、
切ないのは生活保護を受けるのはみっともない、人様に迷惑をかけたくないとモラルが高いと言っていいか、なんて言い方したら良いか分からないが、そんな人が苦しむなんて・・・

この映画では、生活保護を受けない理由にそんな事もあるのかという理由も出てくる。きっともっと沢山の理由があるんだろう。
生活保護を受けるハードルの高さがもっと下がれば良いと思うがそうすると悪用する連中がいるのだろう。本当に許せない。

映画のラストに護られなかった人達へのメッセージがあるが、きっと護られない人達は、この映画を見ないだろう。だからこの映画を観た自分たちが声を上げなきゃいけないと感じた。
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