「護られなかった」の”まも”が護なのは、生活保護の護からだったのか。
面白かった。のだけど、後半長く感じた。終わりそうで終わらない、後半のクドさは瀬々さんの映画によく感じる。
瀬々さんらしさもありつつ、脚本が林民生さんと知って合点。と言っても中村義洋監督の『白ゆき姫殺人事件』『予告犯』しか観てないのだけど、それだけでも共通性が明らか。
ただ本作に関しては、サスペンスにする必要があったのかどうか。
事件現場のやたら凝った(『セブン』的な)美術とか、後半の真犯人のひねりとか、ああいうのは要らなかったような気もする。
確かにそういうジャンル的な面白さを入れて興味を持続させたくなるのも分かるのだけど、題材も題材なのでそういうのは要らなかったんじゃないかと思ったり。
端役に至るまで豪華キャストなんだけど、ちょっと登場人物が多すぎる気もした。焦点が定まらない感じがあり。警察側の人間ドラマとかもっと省いて、シンプルにあの3人の話を中心にすればよかったんじゃないか。
震災の避難所でそれぞれ一人ぼっちの、おばあちゃん、若い男、少女が出会い互いに支え合って擬似家族になっていく、っていうところが面白いと思った。ちょっと変な組み合わせの3人が集まって、それでも家族になっていくところが。この3人の『万引き家族』的な話をもっと観たかったな。
しかし震災から10年が経ってようやくこういう映画も作られるようになってきたんだなと、ある程度の年数が経たないと作れない映画だとは思った。
主題歌なんであれにしたんだろう。そんなに歌詞も内容にリンクしてなくない?思い入れがあったのは分かるけどねぇ…。
【一番好きなシーン】
おばあちゃん家に泊まる日