たくや

護られなかった者たちへのたくやのレビュー・感想・評価

護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)
3.5
邦画独特の重苦しい雰囲気は大好き。
感動路線に持っていこうとする無理やり感は嫌い。

この両方を兼ね備えた作品が「護られなかった者たちへ」

東日本大震災の被災者の方々を軸に、とある連続殺人を追うサスペンスヒューマンドラマ。
餓死させるという猟奇的な犯行手口がめちゃくちゃ良くて、その意味合いも含めて好みだった。
震災と別の問題を描き、社会問題的な要素も絡むのは良かった。
過去と今の時間軸の移り変わりも非常に丁寧で、何が起きてどうなったのか分かり易い親切設計。120分越えの長さを感じさせず、全体を通しては、この作品のことを好きだと思う。


けれど、それを“泣き”にもっていくのが個人的には好きになれず。
課題を浮き彫りにするやり方は他にあった気がする。社会問題の“闇”とそれが解決しないことへの一種の怖さが根本的なテーマであり、感動で片付けるのは違う気がした。
たくや

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