パエリア太郎

リンダ リンダ リンダのパエリア太郎のレビュー・感想・評価

リンダ リンダ リンダ(2005年製作の映画)
3.9
この映画3回も観てるんですよね。
女子高生がただバンドをするだけの映画を3回。
僕が反社会的な性癖な訳では全然ないんですけどね、本当に、まったくこの4人が、本当にまったく、大好きになってしまいました。
いや4人とかじゃないです。登場人物全員が大好き。
中でも、拙い韓国語で告白する男子生徒は本当ね、練習したんだろうなとか、またその練習&勉強で相手のハートを掴めると思っていたんだろうな、なんて想像するともう抱きしめたくなってしまう愛らしさが詰まってました。

リンダリンダリンダなんてタイトルを聞いたら、身構えちゃいますよね。
あ、やばそう、、、って、何を言ってるかわからないと思いますが、僕の思うヤバさとは真逆の映画で、なんでリンダリンダなのかなんて事は一切説明されないんですが「写真には映らない美しがあるから」って、体現してるような内容でして、切り取られない、取るに足らない日常の美しさというか、人間、青春、若さ、意味なんてないことの美しさ、次第に縮まっていくメンバーの距離感を通してとっても伝わりました。

対比させるように写真のように切り取られた、いい言葉、セリフを吐く文化祭の紹介ビデオ。
なんて滑稽なんでしょう!!
考えすぎかもしれませんが、ロックンロールを扱った超個人的にはキツい映画たちにペロッと舌を出してるようにさえ感じてしまいました。

好き故に過剰に内容以上のものを感じてしまうのか
ラストの1番盛り上がるであろうライブシーンの「終わらない歌」でカメラが何を映してるのか、ヘタでもいい、お金がなくても聴ける!そんな精神から産まれたパンクロックが今の日本ではどんな存在で、どんな救いになってるのかって気持ちにすらなりました。
そして、文字通り彼女達の青春を終わらせたくない余韻でいっぱいでした。
パエリア太郎

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