アルゴリズム行進は終わらない

リンダ リンダ リンダのアルゴリズム行進は終わらないのレビュー・感想・評価

リンダ リンダ リンダ(2005年製作の映画)
4.2
今後も繰り返し観るであろう
自分にとっての大切な一本

全てのシーンが美しくて、儚くて、胸を締め付けられる。
2000年代初期の日本映画の映像が好きで、その頃の空気感が全部収められてる感じがいいんですよ。
好き嫌い別れるだろうけど、自分はこの映画が物凄く好き。

香椎由宇と関根史織。こんな女子高生多分当時も居なかっただろうけど、ちょっと冷めてて、大人っぽくてかっこいい。1ミリもキャピキャピしてなくて、文化祭?だからどうしたって感じ笑
ペドゥナもまたええんよね。素朴さと歌。

好きなシーンはもちろんいっぱいあるけど、マツケンの告白シーンは素晴らしいな。あと、演奏を見てる先生の顔な。

初めて観た高校生の時は正直あんまり響かなかった。その時はラストの演奏シーンがなんかいいなーって思ったくらい。でもそれから何回も観ていくと、全然違うところが目に留まるようになってくる。一番感慨深いのは、ラストの演奏シーンに挿入されている誰もいない校舎のカット。土砂降りの靴箱、階段、廊下、教室。多分高校を卒業した人間はみんな演奏シーンじゃなくてそっちにジーンとくるんじゃないかな。あの頃日常だった何気ない風景が、もの凄く遠くの思い出に感じる。というか、絶対にあの頃には戻れないんだと深く気づかされてしまう。短いカットの連続だけど、大人になればなるほど胸に迫る、凄く意味のあるカット。

今後も人生の節目で観ようと思う。