一言でいえば、難解。
いろいろな人を主人公に見立て、一見関係がないように個別にストーリーを進行させていき、終盤にかけて少しずつ連動させていく「グランド・ホテル方式」をとっていたので、長くせざるを得ないのは分かりますが、さすがに詰め込み感は否めなかった。
こういうタイプの映画は、特に最初が意味不明なので、はじめをいかに我慢して見始められるかが重要ですね。映画好きな方は、「あーグランドホテル形式の映画かー」と思って、展開を予想しながら楽しめるかと思いますが、あんまり映画見ない方が観たら、きっと「つまらん映画だ」と思って、途中で寝てしまうんじゃないかなと思います。
僕は、割と楽しみながら観ることができましたが、この映画は「グランドホテル形式」と「個別のストーリーが難解」というダブルパンチだったので、最終的にはなにがいいたいのかはよくわかりませんでした。(笑)
「グランドホテル形式」をとるなら、せめて『パルプフィクション』みたいに個別のストーリーは分かりやすく親しみやすい内容にしてほしかったです。。。
とりあえずこの映画が伝えたいのは「世界中至るところで起こっているあらゆることは、一見関係がないようで実はすべて繋がっているかもしれないんだぞ!世界はそれほど広くないんだぞ!」っていうことだと思います。
正直、映画が本当に伝いたいことの30パーセントくらいしか理解できていない感じがしてますが、要約したらそんな感じなんじゃないかな。と思います
それと、この映画は、役者の演技が際立ってよかったなーと思います。
ジュリアン・ムーアは、他の誰よりも感情がこもってて、演じているとは思えないほどリアリティがあったし、
トム・クルーズは、正直こんな演技ができるんだ!という名演技っぷりでした。
今まで観たことのあったトム・クルーズは器用で責任感があって、常に自分たちにかっこ良い男性像を見せてくれるようなそんな人物でした。
けどこの映画のトムは、それらの役とはケタ違いなほど役に入り込み、自分をさらけ出しているような印象がありました。
全部の映画を観たわけじゃないですが、この映画がトムのベストパフォーマンスなんじゃないかなと思います。
あと、フィリップ・シーモア・ホフマン。亡くなってから知ったのですが、アンダーソン監督との共演がとにかく多い。なぜそんなに使われ続けたのか。
ホフマンの演技のどこがそんなにすごいんだろうかと考えながら観てるんですが、いまいちよく分からない。
ただ、他の役者にはないなにか奥ゆかしさみたいなものが確かにある。
言葉では表せない「何か」を持っている、それが、ホフマンの魅力なのかもしれないなーと思いました。
変な映画だったけど、面白い映画だった。
それにしても「カエル」はなんだったのか...