ブルーノートの精髄、ブルース・ミュージックがアメリカ社会でポピュラリティーを得るまでを、シカゴブルースを世に知らしめたチェスレコードとその代表レナード・チェスの盛衰とともに描いた作品。
ジャズ、黒人霊歌、ラップ、ヒップホップ、ロックンロール、そしてブルースはすべからくブルーノートに端を発する。ブルースノートは、は遠くアフリカから奴隷として連れてこられたアフリカ系アメリカ人の、悲しみを顕す響き。
白人至上主義、資本主義社会の中で黒人から見ればレナードは白人で自分たちから搾取する存在にも見えたかもしれないけど、彼もまたポーランドから移民してきたユダヤ人であり、ブルースノートに共鳴する部分があったのではと思う。彼のおかげで名を馳せた歌手たちが人種差別を盾に権力を主張するのはどうかと思ってしまったけど、きっと彼らの立場の苦しみを味わなければそんなこと言えないんだとも思う。
いずれにせよこのレーベルを立ち上げたレナード、歌手たちそれぞれの音楽史における功績を知ること、ブルースミュージックのカッコよさを知ることができた。とにかくサウンドがかっこいい映画。