ゆっきー

無邪気さの喜劇のゆっきーのレビュー・感想・評価

無邪気さの喜劇(2000年製作の映画)
3.5
旧約聖書の『ソロモン王の裁き』を下敷きにした話だが、オカルトめいていて好き。9歳の息子が、突然母親を名前で呼び、彼女を本当の母だという女性の元へ連れて行く。2人の母親をユペ様とJ・バリバールが演じている。ユペ様が珍しく普通の人の役。

室内のオブジェとか画に意味があり、それら越しのショットが多い。芸術品だらけのユペ様の家と、奇妙な置物が多いバリバールの家が対象的なのが良い。

息子にフラれた母親:イザベル・ユペールが、行くあてもなく室内を彷徨う。カメラが室内をぐるぐると移動し、俳優たちを追い続けるのも良い。ドライヤーの『怒りの日』的なカメラワークであった。
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