ゆっきーさんの映画レビュー・感想・評価

ゆっきー

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トルテュ島の遭難者たち 4Kレストア(1976年製作の映画)

4.0

傑作。旅行代理店のおじさんが無人島漂流旅行を計画するが…というお話。他のヌーベルの作家たちと比べて徹底的に「演出」を無臭にしようとする意図を感じる。良い。
主人公のおじさんがおもしろスピーチをする場面
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アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.0

傑作。みんな言ってるが夜のトレーニング中にカメラが奥によってくと懐中電灯の灯りが…という場面がスゴすぎる。
初めて親父の首を絞めたあと、弟の亡骸を抱えて画面に向かって歩く場面では親父が画面背景に放置さ
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クレイジー・ママ(1975年製作の映画)

3.5

相当初期のデミ作品で露出オーバーめな光が鬱陶しい。犯罪家族ものでコーマン制作あるあるのハイテンションノリ軽めアクションかと思いきや割と後半重くなる(そこは好き)。アメリカ人は先祖の土地に固執する話を撮>>続きを読む

赤色彗星倶楽部(2017年製作の映画)

3.5

早稲田の映研が作ったらしいがこの出来は凄すぎだろ〜
編集がとても面白いことをやっている。バンドの場面のスローモーションといいたまにダサいけども。
ゴダールと相米の影響を感じる。特に机を集めてその上を喋
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トラックス(1977年製作の映画)

1.0

これは俺でも撮れるぞ…って思いながら見ていた。酷め。全裸のデニス・ホッパーがカメラに向かって走ってくるショットのみ良い。
リンクレイターが好きな人は好きそう。会話、顔のアップ、運動を映さない編集。

雲がちぎれる時(1961年製作の映画)

3.5

断崖絶壁を運行するバスの運ちゃん役に佐田啓二。映画の法則としてこんなんは100%落下する事が確約されており、あとは佐田啓二の死までを見守る事になる。とても面白かったが、佐田啓二が実際に車で事故死した事>>続きを読む

ネイキッド・タンゴ(1990年製作の映画)

3.5

金持ちのアホな若い嫁(マチルダメイ)が別の女に成り代わって調子こいてるととんでもない展開になる話。画面が異様に艶っぽくてとても楽しめた。自殺する女との高低差のある切り返し、夜、窓の外を見るとタンゴを踊>>続きを読む

タイトロープ(1984年製作の映画)

3.0

イーストウッドに小さい娘が2人いて、彼女たちを守りながらサイコ野郎を捕まえなくてはならない、という話であるがそもそもイーストウッドがそのような役をするのにどこか居心地の悪さを感じてしまう。

イースト
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地獄の天使(1930年製作の映画)

4.0

お話はともかくヤバすぎるなにこれ、ショットや演出などと言った次元とは無縁の凄さのある映画で戦闘機のドッグファイト映画としては最強クラス。特攻食らった飛行船が炎上して自分目掛けて落下してくる映像なんて金>>続きを読む

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

1.5

駄作。イケメンにもう一度会いたいって話のダシに311使うのやべぇし。色のトーンは相変わらずケミカル過ぎるし、アクションの気持ちよさもゼロだった。せいぜい、車の屋根がメカニカルな機構で閉じるところくらい>>続きを読む

フライパン殺人(1982年製作の映画)

2.5

バーテルが自ら主演。色んな変態をフライパンで頭を殴って殺してく軽めのコメディ。まー可もなく不可もなくくらいの出来でコメントしようがない。

怪談蛇女(1968年製作の映画)

3.5

お話はベタ中のベタなので触れないが、面白く見れる。カメラはやたらとパンをするが、フレームから人が外れたと思ったら同一ショット中にフレーム外から別の人物が入ってくる、このスムーズさよね。
見ていてストレ
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エレクション 死の報復(2006年製作の映画)

4.0

逆算で撮っているのがよくわかる。「演出」の作家という感じ。サイモン・ヤムが車の中で撲殺されながら逃げる息子を追いかける場面なんてまさにその典型。ただあそこはT字路で右に曲がる息子と左に曲がる車のショッ>>続きを読む

ナイトホークス(1981年製作の映画)

2.5

スタローンvルドガー・ハウアー。
まぁまぁ。撮影があまり宜しくない。
街が写っているのは良いが、、、
街中にロープウェイがあるの横浜じゃん!って感じで良かったが盛り上がりまで1時間もかかる。暴力描写は
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不都合な理想の夫婦(2020年製作の映画)

3.5

見栄を張りすぎて破滅していく家庭のお話。素晴らしい、というよりも余計なことをしない良さを感じる。
カメラは寄りすぎず遠すぎず、ごちゃごちゃ動かさない。役者の演技に頼らない。

どっこい! 人間節-寿・自由労働者の街(1975年製作の映画)

3.0

横浜のドヤ街である寿町を舞台にした小川プロ制作の映画。小川紳介が監督してないのは初めて。(ただし編集とナレーションは小川紳介)
カメラがやたら人間に近く、寿町と言いながらほとんど街が写っていないのには
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ミカエル(1924年製作の映画)

4.0

女に夢中になり自分から離れていく養子とその養父(画家)の話。切り返しがイマジナリーラインもへったくれもない訳わかんない感じで戦慄した。2人が絵に向かってる場面とモデルである女の位置関係が訳が分からない>>続きを読む

白い牛のバラッド(2020年製作の映画)

3.5

夫を死刑にされた女と、償いのために親切にする判事のお話。カメラの位置が近すぎず遠すぎずで良い。判事の歩く速度の遅さで病んでいるのを見せる場面や口紅を塗る場面の照明が良い。演技に頼ってる部分は多いが中々>>続きを読む

THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

3.0

部屋の中で緊急通報の電話応対をする場面だけで90分持たせる映画。回想シーンに逃げずにやりきるのは偉いと思うが、顔の右側だけを撮りながらラストの彼自身の罪を認める場面で部屋を変え顔の左側を撮るようになる>>続きを読む

或る終焉(2015年製作の映画)

3.5

一見するとハネケやトリアーのような嫌がらせ系と1括りもできなくは無いが、徹底的に心理を避けながら厭やな映画を撮っているので別物かと。その証拠にティム・ロスの顔のアップがワンカットたりともなく、また主観>>続きを読む

アウトローブルース(1977年製作の映画)

3.5

ピーターフォンダが眼鏡をかけていない映画。警察におわれる歌手という設定であるが緩く多幸感があってだいぶ好き。
後半の運河を使ったボートチェイス最高ですわ。サンアントニオかしら?
ボートチェイスでぶち壊
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のら犬(2023年製作の映画)

2.0

見下してた友人に彼女が出来て変な空気になる映画。
脚本の映画って感じでちょっと切り返しが多すぎてゲンナリしてくるかなー

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離(1995年製作の映画)

2.5

編集信じて無さすぎ。リンクレイターの中で「ほんとうらしさ」が価値観の最上位で、それを追求するためカットを割らずにドキュメンタリー的に長回しを続けると思うが、続ければ続けるほど「演技(つまりウソ)してい>>続きを読む

ジョナサン ふたつの顔の男(2018年製作の映画)

4.0

傑作。ひとつの体を共有する2つの人格の話で、お互いの行動が分からないが体を預けねばならない事からくるサスペンスがえぐい上に独特のフレーミングも面白い。カメラと役者の距離感が見事な上に私の嫌いなリアクシ>>続きを読む

マーズ(2021年製作の映画)

3.5

面白い。火星移住SFものだが、ただの荒野であって一軒家とそこにやってくる侵入者の西部劇のような感じ。セリフがほぼない上に画面上でも見せないという説明のしなさに驚いた。
あと、あの懐中電灯は退化してると
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ライトハウス(2019年製作の映画)

2.5

ワンショットワンショットはどれも工夫が凝らされており、特に高い建造物と人間を同時に捉えようとする試みによってケレン味のある画面となっているのだが、それらが編集を持って連続した場合にいわゆる「ショット」>>続きを読む

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.0

泣いた。
ロケーションがホント良いね。高低差のある道とか、高さの低いレンガ造り?のトンネルとか。あのトンネルをとぼとぼ歩く松村君が後ろ姿で見ると全く進んでないように見える。

停電の場面で、街が暗くな
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エターナル・ドーター(2022年製作の映画)

4.0

バチくそおもろい。ゴシックホラー風の母娘のドラマ。夜中に音がして娘が半身体をベッドから持ち上げるのを横から撮るショットが怖すぎて妙に覚えてる。『邪教』のドアから半身体を出す女の場面に怖さの質が近い。>>続きを読む

瞳をとじて(2023年製作の映画)

2.5

あたしゃショックだよ。エリセがこんな事になってて。なんかそこら辺の並の作家でも撮れそうなんだもん。切り返しばっかで一体どうしたんだよ……
あと映画内映画の方が面白そうってどうなっちゃってるんやよ。
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昼も夜も(2014年製作の映画)

3.0

70分以内の中篇。松戸あたり?を舞台にした中古自動車屋とヤリマンの話。1本筋らしき軸もなくふらふらと話が進むと2014年3月11日に終着していく感じ、群像劇でこそないがアルトマンっぽい感じだ。役者に魅>>続きを読む

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

4.0

泣いた。
このご時世にバキバキのスタンダードサイズ、『静かなる男』を思わせる原題とアイルランドロケということで否応がなく期待高まっていたが、期待通りに面白かった。
モノのクローズアップを主観ショットで
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緑の夜(2023年製作の映画)

1.5

全然だめだこりゃ。役者ふたりの会話の場面で、役者Aの台詞終わりを役者Bが棒立ちで待ってる感が出ていて、素人が撮った結婚式ムービーみたいなレベルだった。段取り臭いというか。

悪魔(2018年製作の映画)

3.0

塾長が褒めていることで有名な谷崎潤一郎原作の作品。
正直まぁまぁってとこでした。下宿先のJKがエロくて誘惑してくる&隣のJKストーカー男がキモイっていう話は好きだが、妙な色彩で統一された画面がチープに
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悪の愉しさ(1954年製作の映画)

4.0

U-NEXTの音質が微妙で正直何言ってるかよく聞き取れなかったがめっちゃおもろい。完全にフィルム・ノワール。森雅之をいつもの立ちションスポットで絞殺する場面の画面の暗さ最高。憧れの女、久我美子に泣き落>>続きを読む

ファニー・ページ(2022年製作の映画)

3.0

漫画家を目指してる高校生と元漫画アシスタントのキチガイおじさんの話。めっちゃサフディ兄弟じゃん!と思ってたら他の方のレビュー見るとサフディ兄弟プロデュースらしい。監督もちょっとしたんじゃない?これ…>>続きを読む

果てなき船路(1940年製作の映画)

3.5

恥ずかしながら初見。
噂に他がわずフィルム・ノワールみたいな影がバッキバキの画面がやばすぎる。撮影監督はグレッグ・トーランド。お話と言えば、前半はずっと船の上で割と退屈なのだが、後半の何としてもウェイ
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