虎舞羅ーコブラー

燃えよドラゴン ディレクターズ・カット版の虎舞羅ーコブラーのレビュー・感想・評価

4.2
今は亡きブルース・リーの代表作である、「燃えよドラゴン」のディレクターズカット版作品。

・あらすじ
少林寺拳法の高弟であり、武術の達人のリー。毎日欠かさず稽古を積んでいたが、そんなある時彼の元に依頼が舞い込む。彼の道場の元門下生がボスである犯罪組織が、武術トーナメントを開催するという。最初こそ煙たがるリーだったが、彼の姉の死と関連があると知り、トーナメントへ向かうが…。

・レビュー
若くして亡くなった後に世界から日の目を浴びる事となった、世界的アクション俳優ブルース・リーの代表作。アクション好きなら一度は触れておきたいと思っていたので、まずは彼の代表作から鑑賞。

オープニングから毎日TVなどで耳にする有名なテーマソングが流れ、開始早々興奮しました。様々な番組で使われているとはいえ、やはり本家のBGMとして聞くとこの上なくカッコ良い。
ストーリーは至ってシンプルですが、格闘シーン以外で退屈にならないのは、やはりリーの持つカリスマ性が大きいのではないでしょうか。表情がアップになるだけで、その獣の様な鋭い瞳に引き込まれます。

そして肝心の格闘シーンも圧巻です。他の俳優たちも格闘戦を披露するのですが、やはりリーだけは何かが違う。
“華麗かつ強烈な回転蹴り・ハイキックなどの足技”
“靭やかに、そして瞬時に繰り出される突き”
“フィリピンの武術カリを用いる棍棒、ヌンチャクを体の一部の様に巧みに操るテクニック”
これらは勿論健在ですが、何より他と一線を科すのは、“全身から溢れる肉食獣かの様な戦闘本能、獲物を狩る者のオーラ”。
たとえカメラ越しであっても伝わる、唯一無二の風格。後に成るべくして伝説と化した、まさに王者。様々なオマージュもされた怪鳥音さえも、彼がすればライオンの威嚇へと変化してしまう。

何故才能溢れる方は、多くの影響を残し、早くも去ってしまうのだろう。私はいつもそう思っていた。今も彼が生きていれば、確実に映画界はガラリと変わっていた。
いつの時も、彼らは我々に大きな野望や希望を抱かせると、「あとは任せた」と言わんばかりに去ってしまう。だが、その託されたものを抱き継承する者がいるからこそ、今の映画界、彼が創設したジークンドーがある。思いは継承されていくのだと、改めて認識出来た。
彼らが残したものを、自分の心にしまっておくだけでもいい。彼らの存在を、先人の思いを、忘れずに生きていきたい。そう思わされた一作でした。

約10日くらいの間が空いての更新でしたが、いつも私のこんな文書を読んでくださってありがとうございます。
マイペースながらもやっていくので、良ければこれからも宜しくお願いします。🙇