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セラとチーム・スペードのとぽとぽのレビュー・感想・評価

セラとチーム・スペード(2019年製作の映画)
3.5
向こうのハイスクールもの、特にエリート校って闇深すぎ! 演劇や賭け事、5つのグループ。それぞれがそれぞれの特徴を活かした生徒たちによる地下組織の学内派閥勢力争い。みんな定期的に幹部連中が集まって会議とかしているみたいだし、ちゃんと自治区って感じ。そんな中、主人公たちはドラッグなど快楽を司るグループ。高校生活も残り少ない春学期だというのに未だ自分の跡継ぎを見つけられないでいる主人公セラと、カメラを持った転校生パロマの出会い。彼女のカメラはこのイカれた独自の文化が根付く小さな世界に他者の視点を持ち込むし、恐らく多くの観客が感情移入するのも彼女だろう。最初はオマセな悪がきティーンエイジャーくらいにしか思っていなかったのに見ていく内に、対立、結束、嫉妬、裏切り等しっかりと様々な要素を内包した犯罪 & 政治スリラーみたいな趣になっていく。正直見る前はもう少し小粋なものを期待していたけど、内実はダークで鋭く、スマートで幾分難解複雑。脚本家監督タヤリシャ・ポーという新たな才能に注目。表層・表面上の内容自体はキャッチーとは言い難いけど、高いプレゼン能力とも言えそうな映像表現や音楽、編集込みで独自のテンポ・ペースがあるから、よく分からなくても確かに引き込まれる。
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