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ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれからのmiのレビュー・感想・評価

4.0
非常に軽やかで澄んだ空みたいな軽妙さを感じた。
冒頭の古代ギリシャ人によるとから始まる、人間の体は2つに分裂したものである。という、このストーリーの軸となる「ハーフオブイット」を体現するシンメトリーの人物配置の構図が秀逸。
至る所に散りばめられてて、卓球、教会の懺悔するところ、廃車の中、父娘の部屋での位置関係、そして道路を挟んだ主人公とアスターと、それぞれの人物の2Sにおいて象徴的なカットになってるのは巧いなと思った。
現代的な文化史におけるテーマてんこ盛りだけど、非常に交通整理された構成で、やはりNetflixのマスを捕らえにいくハンティング能力はますます追随を許さない形勢に入ってるんだなぁ。
おそらくこの監督はアンリーを尊敬してるんじゃないかなと思った。
なんせあの父親が「推手」にでてくる父親と設定がよく似てるし、脇として最高の役割果たしてるよなぁ。
ラストシーンもフリが効きすぎて、同一アングルに入った瞬間にわかっちゃったけど、ありゃホロリとくるぜ。
個人的には深刻さが足りないので刺激が足りないと思ったけど、それも計算された上でのことだと思う。
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