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タゴール・ソングスのcomaのレビュー・感想・評価

タゴール・ソングス(2019年製作の映画)
4.6
インド人(バングラディシュだったかも)の家には必ずタゴールの本がある、というようなことを西岡直樹さんの本で読んで以来、タゴールは本当にインド国民に愛されてるんだなあと思っていた。
そもそも、タゴールの詩が歌として愛されていることも知らなかったので、そこから驚きだった。タゴール・ソングスは、弱い力しか持たない人々にも寄り添い、そして、生きる力を持てた彼らから、また次の世代に伝わっていく。伝えようという気持ちも、伝えていく。(弱者、というか貧困や女性差別は日本も同じなので、問題は人ごとではない…)
英知の結晶のようなタゴール・ソングスは、歌として人々に伝わっていて、時空を超える移動図書館のようだと感じた。歌というものは、美しい魔法みたいだ。

ところで、タゴールの詩が人々に愛されている様は、ウグイスのさえずりの伝承みたいでもある。
先輩たちのさえずりを学んで、子供たちはさえずりを学び・実践し、何十年何百年と子孫に伝えていく。より多くの子孫の繁栄のために。
さえずりは、英語ではsongだし…

あと、背後に入ってる鳥のさえずりの美しさに惚れ惚れでした。特にコルカタビデオズの屋上のシーン!
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