Tatsu

ジオラマボーイ・パノラマガールのTatsuのレビュー・感想・評価

3.9
和製ヌーヴェルバーグワナビーで東京ロマコメ。まず、東京の街をこれほど魅力的に切り取った日本映画も最近ないし、役者だけでなく、街のあらゆる乗り物を垂平運動させ画面に収める映画的なショットのセンスに楽しくなる。モノレールと並走する人物、橋の下をくぐり通る船。主演2人を含め役者も良い感じ。個人的には、学生証を拾った山田杏奈、からカットが変わって赤いレンズフレアのシーンがベスト。「好き」の描き方が『パンチドランクラブ』みたい。オザケンを目配せのように出す感じは、同じ文化圏の内輪に見えて苦手だったが、山中貞雄の引用をはじめ、そこの文化圏のサブカル引用に偏らないようにしようという瀬田なつきの意識は感じた。単純に岡崎京子原作の映像化では1番良いんじゃないか。良い映画だった。
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