原作知らないので瀬田映画として観た。不思議に思う部分はあれど端的にかなり好き。
山田杏奈、鈴木仁、森田望智の表情、演技、存在感が素晴らしい。彼女や彼が歩く、走る、回転する、それから踊る。そんな運動をあまりに瑞々しく映し出しているのが本当に魅力的だ。それがすれ違う時の見せ方も上手いので感情を持っていかれる。佐々木撮影による映像美も優れていてある時代の街の姿を捉える映画としても優秀だと思う。そして『あとのまつり』のあの時代より後の東京の姿ですよね。台詞ではなくモノローグ的なそれでポエジーな言葉を話させる演出が好き。
ラストの唐突で大袈裟な叫びに驚いたがその後のシーンとのギャップを生み出す為で、それによって次のシーンが本当に良いものになっていた。エンドロールが完璧。
原作があるから仕方ないが瀬田監督の色が後半にかけて薄れていくのが残念。Twitterで見つけた瀬田ファンの意見に則ると私も瀬田監督自身で編集までやってる作品の方が好きかも。
