おてつ

TITANE/チタンのおてつのレビュー・感想・評価

TITANE/チタン(2021年製作の映画)
4.4
途轍もない怪作。幼少期に交通事故に遭い、頭蓋骨にチタンを埋め込まれた女。歪な快楽と衝動的殺人… 本作は、痛みに抑圧され続ける女性とマチズモに囚われる男性の奇妙な交感を通して、変態的だが究極的な愛を描いているように感じる。「RAW 少女のめざめ」ジュリア・デュクルノーのパルムドール受賞作。
あまりにも痛々しい描写が多くあり、思わず声を上げてしまう場面も…
それだけ女性が抱える果てしない痛みを、倫理から外れ、雑然としながらも、説得力のある描き方で視覚的かつ潜在的に響くように表現する。控えめにいっても奇天烈で、時に痛々しさ故に不快で、しかしディープな魅力に溢れた良作。
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