幼少期、頭蓋骨にチタンを埋め込まれたことによってそれが長い歳月かけて身体中へ侵食し、というのは設定としてそうなんだけど、それは置いておいても、女性の、性に対する恐怖、お腹に子どもを授かることへの憤りや焦りや気持ち悪さ、けれど時間と共に母親になる決意に変わっていく、みたいなものは、とても共感できた。描き方が乱暴なのにスタイリッシュで、音楽と照明がよかった。『RAW』を見た時はさっぱりわからなかったけれど、この監督の言わんとせんことが、今回の作品を通して、少し掴めた気がする。
これがパルムドールなのはいろんな意味ですごいな...
共感できるかだけが優れた作品じゃない！という気持ちを改めて思い出させてくれた、そんな作品でした。
ラストは「叫びとささやき」が脳裏を過った。
欠けたものを別の形で埋め合わせする代替え可能な関係性を超えた愛って感じだな..放心状態だったのに、普通に最後感動してしまった。広告、タイトルバック、デザインが好き。
