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TITANE/チタンのぴのネタバレレビュー・内容・結末

TITANE/チタン(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

女性とされる身体で生まれて身体に違和感持ってる人はマジでずっとキツい
車にさえレイプされて妊娠もするの絶望しかなさすぎ

最初と2度目の殺人は、自分へ向けられた性的なまなざしや、向き合ってもどうしても性的指向とは異なる存在との性行為への拒絶として見た。

身体の抗えない変化への苦痛を伝える一面もありつつ、子を失った事件の被害者とサポーター、匿われる方と匿う方という二項対立的な関係性が何度も逆転していき、子と親を演じているときはその正反対の関係性が成立している感じ。そういう関係性は依存的でもあるけど異性愛の関係性やシンプルな親子関係にはない、絶妙なバランスの関係性で面白かった。主人公が家族を燃やして既存の家族関係を無にしているから余計にこの複雑な「子と親」が面白く思える。そのときに必要なものを補い合ってるだけっていう、めちゃくちゃだけどこの2人の間でだけ成立してるのがしっくりくる。周りが巻き込まれててめちゃくちゃ可哀想やけど。
そのおもろい関係性が終盤に異性愛的な方向へバランスが崩れていきそうでいかなかったのもちょっと良かった。けど妊娠による死亡でそれ以上登場人物たちの関係性は発展することが許されてなくてそのまま父性リベンジ始まるのは残念。せめてもうステロイドでODするくらい若さとか男性性に固執するのやめてリベンジよろしくな!て感じだった
主人公が生きて、今までのバランスのまま、両親でも子と親でも男と女でもなく「お互い必要だからここにいる」くらいの感じで暮らしていくエンド見たかったな
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