2022-293本目
おすすめは全くできませんが、僕は大傑作だと思いました。
なんのメタファーなのか、まだきちんと言葉にできるほど理解できていないです。
金属、車、セックス、痛み、性、倒錯、暴力、破壊、創造、癒し、生、哀しみ、男、女、などがキーワードなのかと思いました。
映画ならではの、フィクション性を活かしながらテーマを最大限に表現することと、観ている人がそれを楽しめるように、咀嚼できるようにどこまでを語るか、のバランスがとても好きでした。ただ、一般的には、かなり偏っていると思われるので、とどこまでこちらが理解できるか、許容できるか、が楽しめるポイントのような気がします。
画面には見せている。けど、説明はしない。分かりやすく言葉にしたり、そのシーンをそのまま見せたり、なんて野暮なことはしない。
宮崎駿の言葉を思い出しました。
とにかく何度も見直したくなる作品。
実際他の方のレビューを読ませていただき、すぐに2回目見ました。
ヴァンサン・ランドンはこれで5作目の視聴。この方が出てきて、少し安心しました。それまでは目を背けたくなる痛々しいシーンと、よく知らない女優さんで、どうなっちゃうのか不安になっていたので。で、ヴァンサンさん、今作も素晴らしかったです。
そして、主演のアガトルセルさん、素晴らしかった。映画とわかっているのに、目を背けたくなったり、全身に力が入ったり、痛々しいやら、怖いやら、哀しいやら、愛おしいやら。体も心ももってかれました。
RAWの監督さんだったのですね。こんな難解なのに、魅せられてしまう、すごい監督さんですね。演出と、映像。目で魅了しながら、次第に心と頭が作品に夢中になっていきました。
決して万人受けはしない作品ですが、映画好きの方には、ぜひぜひご覧になっていただきたい作品でした。