ち

ハウス・イン・ザ・フィールズのちのレビュー・感想・評価

3.6
弁護士を目指す妹と結婚のために家を出て行くことになったお姉ちゃんのお話〜!

モロッコの地方部の春夏秋冬の美しさや、ラマダンが明けた後の宴の盛大さは確かに壮大で圧倒される!だからこそその裏にある葛藤や真意に寄り添うことって本当に価値ある事だよね〜!監督は本作の作成にあたり、7年にわたって現地に通い、彼らと寝食を共にしたそう(フライヤーより)。彼しか撮れないだろうなっていう画がいくつもありました!

彼女たちにとって今まで過ごしてきたモロッコでの日々が当たり前に素敵なもの。だからこそ彼女たちの先入観のない意思がどこまでも小さくなってしまったのかな〜。どんな事もそれが普通になってしまうと、ずっと変わらずに続いていくものだと錯覚してしまいそうになる。彼女たちは、ちゃんと異和や疑問を感じられていたのでしょうか。そこにあったのは対抗意識や変えたいって気持ちじゃなくて、ひたすらな悲壮感だけに見えた。というのも、それに対する強い言動は特になくて、ずっと静かなの。これがリアルなんだろうなって感じした。(ドキュメンタリーとしては、大きな起伏がなくやや退屈かも?)

改めて地方部との格差って難しい。法律や制度などで表面上カバー出来てても、こうして実際には届いていない地域もあるわけで…「結婚するのが怖い。だけど義務だから」そんなセリフを未成年の子が涙ながらに語る社会。そんな姉の姿を見て自分の夢が叶わない未来を不安に思う妹…辛い。みんな悲しみを抱きながらも疑問には思わない。この状態が一番危険だなって自分に思った。それから生まれ育つ環境って当たり前だけど、生き方の大筋決まるの影響大きすぎる。大事すぎる。

あと途中でこれ本当にノンフィクション?って思っちゃうような出来事とか台詞とかが出てきて気になった!良いとか悪いとかじゃなくて単純に!台本がなかったとしたら本当にすごい。

最後にモロッコの文字、ティフィナグ文字というらしい。かわいい〜!
ち