小枝

トランスフォーマー/ビースト覚醒の小枝のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

もうミラージュが最高。思いやりがあり、機転が効き、ウィットに飛んでいて、友達を信頼していて、素直に褒めることができる。なにこの無限にいい奴。バンブルビーの健気な感じも好きだけど、もっと好きな奴出てきたな。中盤、今まで軽い言動を取っていたミラージュがオプティマスの葛藤をノアに代弁するシーンがめちゃ好きだった。おまえそんなノリで仲間に対する解像度も高いんかい!好きすぎる。

トランスフォーマーは、どのシリーズもオートボットが無双するんじゃなくて、人間との協力、いわゆる“異種共生”が描かれるのが美しさでもあり退屈な部分でもあるんだけど、今作はこの“異種共生”がこれ以上ない形で完成した。オートボットが人間の鎧になるという関係は、完全な“ワンチーム”だし、人間がオートボットとおなじ土俵で戦うのは最高に盛り上がった。

ストーリーには一貫して「仲間」や「家族」という「寄り添い」に注目した軸があった。ラストの展開は「自分のためじゃなく誰かのために行動した時にここ1番のパフォーマンスを発揮できる」というありふれた示唆だけど、オプティマスとノアの確執や共通項をちゃんと描いていることで、なかなかに痺れるラストになっていた。ノアと弟の家族愛の描き方がめちゃくちゃ丁寧なのに対して、マクシマルたちの鳥姐さんに対する悲しみの描写が薄いのは少しバランス悪いと思ったけど、事前にユニクロン軍団の作り方は説明されてたから、早めに鳥姐さんの退場を悟った時は悲しかった。

しかしオプティマスは公式がなかなか成長させてくれないというか、初手の印象絶対悪いよねこのトラック笑 でも彼は1番人間味あって目的を持って行動してるから邪魔ではないし、彼の歪みには共感できる。バンブルビーを見捨てないところなども後から効いてくるちゃんと主人公の選択をしている。

その他、トレジャーハント要素はエレーナに全任せするんじゃなくてもっとオートボットと協力して欲しかったり、ユニクロンがポートキーを手に入れたい理由が小物であったりと、所々『トランスフォーマー』シリーズの持つ冗長さは残っていれど、全体的にみて戦闘シーンが幾つもあって退屈しないしアクションはどれも綺麗だったので満足した。結局あのガッチャンガチャンカンカンコンコンコンという変形を見たいというのが大きいからな。その点最終決戦でゴリラの隊長が「限定解除!」って叫んだ時はかなり心拍数上がった。最終決戦のBGMが歌詞付きだったのめっちゃ良かったね。
小枝

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