じんないたくみ

ジョン・ウィック:コンセクエンスのじんないたくみのレビュー・感想・評価

3.0
かなり期待外れだった。

僕が「ジョン・ウィック」シリーズに期待していたのは、ジョンの圧倒的な強さで身の程知らずをねじ伏せるカタルシスの塊みたいなアクション映画。

1を見たときは「チープで陳腐なストーリーだけど、格好良くて気持ちの良いアクションと、厨二病的で芝居がかった世界観が魅力」という感想で、後のシリーズにも期待していたのはストーリーよりもジョンの圧倒的な強さを見せつけるアクションとカタルシスだった。

2まではその調子だったが、3からはストーリーを進行させることを重視しているような構成になった感覚があって、4は物語を完結させるためのおまけという印象だった。

なんというか3以降は「ストーリーも"パターンを外して"魅力的に描きたいな。そしてアクションも魅せたい」みたいな欲張りをした結果、うまくまとまらなかったんじゃないか、と思っている。

4の序盤はジョンがなんで戦っているのは不明で、感情移入できたものはないし、終盤も「ああ、多分は制作はこういう幕引きをしたくて、ジョンをこう動かしているんだろうな」という思いが見えてきて、なおさらつまらなく感じてしまった。

敵についても魅力がまるでなかった。完結作でこんな安っぽい敵をデザインするのは、はっきり言ってガッカリだった。

もともとストーリーをうまく描くような映画ではなかったのだから、もっとアクションとカタルシスに全振りしたバカみたいな構成でよかったと思う。下手にストーリーを描こうとした結果「ストーリーもアクションも気持ちよくない」という結果になってしまっているような感覚がある。

唯一面白かったのは、最後の寺院にたどり着くまでの戦いくらい。
あそこは気持ちよかった。
あとキアヌ・リーブスも真田広之もドゥニー・イェンも格好良かった。

結末自体には不満はないし、エンドロール後のシーンも好き。ホラー映画好きはなおさらあのおまけ映像はニヤッとできると思う。

あとはオーレリオに預けた車がどうなったのか気になるね。