Tatsu

ザ・ファイブ・ブラッズのTatsuのレビュー・感想・評価

ザ・ファイブ・ブラッズ(2020年製作の映画)
4.1
多分21世紀以降のスパイク・リー作品では最高傑作。とにかく歴史的な出来事、事件へのレファレンスが多く、Netflixだからここまでの画像、映像を引っ張ってこれたんだろうなと思うほど、ちょっと一瞬ギョッとさせるシーンが何箇所かあり。
個人的に、最近のスパイク・リー作品は、企画の時点で、ジャンルの皮をかぶせてエンタメとして描こうとする、そして大凡はそれらのジャンルで追求すべき面白さの部分が全然到達していないことに、滅茶苦茶不満だったんだけど、それでいうと今回はジャンルの皮をかぶせることなく(戦争モノって言ったらそうなのかもしれないけど、現実に密接に関わりを持つので、最近の彼の映画をエンタメとして成り立たせている娯楽ジャンルとは違うと思う)、エンタメとして成立していて、初期のスパイク・リー作品の良さが久々に、しかも物語のスケールもでかく戻ってきてると思う。
凝った画角や色彩、画質の変化など、表層的な映像技術で表現を片っ端からやり、その現場を演出するところに、割と無頓着に思えがちな監督作品が多かったが、今回もそれは例に漏れず。しかし、役者の演技のさせ方や、キャスティングは今回はかなり良かったと思う。唐突な編集はあれど、2時間30分以上ある尺の通り、これ以上は省略できなかったんだろうし。
インパクトという意味では相当上にくる。
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