ビビッドな色使い、あらゆるアス比を駆使しまくっての画作り、16mmと35mmの使い分け、そしてなんと言っても強烈なインパクトをもって狂気と悲哀が入り混じった父ちゃんを演ずるデルロイ・リンドーの怪物的パフォーマンス。今年を代表する作品になり得そうな活きの良さを感じる。年末の賞レースを席巻する一本となるであろうし、現時点でのオスカー最有力とも言えるのではないか。スパイク・リーが今回は映画監督としての技のレパートリーをふんだんに披露していた。娯楽性は前作のように中途半端ではなく、しっかりとハイクオリティーな物として刻まれている。銃撃戦があり、地雷爆破による特大の人体破壊描写があり、もちろん笑いと社会性もある。今回は素晴らしい濃密度でほとんど申し分なしだ