青いビニール袋

哀愁しんでれらの青いビニール袋のレビュー・感想・評価

哀愁しんでれら(2021年製作の映画)
4.0
12本目

児童相談所で働く小春は、ある夜怒涛の不幸に襲われて全てを失ってしまうが
踏切で倒れている大悟を助けたことをきっかけに、彼と結婚することになる。

長編監督デビュー作でもあるかしこい狗は吠えずに笑うから8年ぶり(!)渡部亮平の最新作は
今作も孤独から救われたものが地獄を巡っていくサスペンス作品

しんでれらという名前がついているのに不気味な音楽の使い方や
曇天なのにミュージカルチックなカメラワークをしたりするギャップが良い
焼肉のシーンの固定カメラ長回しは修羅場というか地獄というか

初めは自分を捨てた母親みたいになりたくないと思っていた小春が
超サイコパスな娘とお前も何もしない大悟の異常性に挟まれてだんだん壊れていく
田中圭とCOCOの演技はもちろん良いのだが、
2人の色に染まっていく土屋太鳳の演技がすごく良かった

伏線が回収が上手く、先が読めない展開の中たどり着くドン引きしかしないラストシーン
あんな問題起こしておいて、その仕事で学校にそれで呼ばれることはまずないと思うのはさておき
このシーンで今年最大の問題作となったと感じた