ぴぃ

哀愁しんでれらのぴぃのレビュー・感想・評価

哀愁しんでれら(2021年製作の映画)
2.0
そもそも童話「シンデレラ」って幸せなお話なんだっけ。いつからこう思うようになってしまったんだろう。間違いなくこの映画を観る前からなのだけど。

いつか舞踏会へと夢見る気持ちで陰湿ないじめに耐え続けられるものだろうか?夜な夜な開催される舞踏会に行くのに、効力が24時で解ける魔法ってどうにかならないものなのか?何より、国をあげて靴の持ち主を探す王子、わがままボーイすぎないか…?あんな瞬間風速一目惚れ野郎は間違いなく浮気しそう。

などなど、可愛げないことを考えるようになったのは、昔流行った(?)「本当は怖いグリム童話」を読んでしまったからな気がしてならない。

ガラス(壊れやすい、脆い)の靴、意地悪な継母と姉、魔法の時間制限、ねずみ(嫌われ者)の友達、お互いをよく知らないまま結婚…と幸せを引き立てる為に散りばめられた負のエッセンスのオンパレード。

とはいえ、数年前に実写化されたディズニー「シンデレラ」は素晴らしい映像美で変わらずときめいたし、素敵だった。想像力を掻き立てられるガラスの靴は何よりロマンティックアイテムだし、有限な時間は燃え上がるしだからこそ錯覚が生まれて、豪華なドレスは説明不要の憧れ。ディズニーの手にかかれば、邪念など吹き飛ばして「シンデレラ」の世界に浸れる。

なので、悪いことは言いません。シンデレラを美しき童話として心に留めたい方はディズニーに委ねるのが間違いないです。もし私のように「シンデレラ」に疑念を抱いてしまったら、後戻り出来ない覚悟で「哀愁しんでれら」観てみてください。

そして劇中に「白馬に乗った王子様より、外車に乗ったお医者様よね」と皮肉な台詞があるが、本作観終わった後、後者も…ね…ってなるのは私だけでないはず。
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