ぎょうざ

哀愁しんでれらのぎょうざのレビュー・感想・評価

哀愁しんでれら(2021年製作の映画)
3.5
 一言で言ってしまえば、「"良い親"であろうとすることの呪縛に囚われた人間が起こす悲劇」のストーリーと言えるだろう。

 この作品では、主人公たちは幼少期のトラウマからその呪縛に囚われ、狂気へと駆り立てられていくのだが、幼少期のトラウマが無くとも、社会的呪縛に囚われ、他人の迷惑を顧みない行動に出てしまうということは往々にしてあるのではないだろうか。

 "良い男 / 女" "良い子供""良い夫 / 妻"・・・世の中には呪いの言葉が溢れている。"良い◯◯" という形容詞がついている時点で、本当は主観的なものであるはずなのに、あたかもそれが客観的で絶対的な基準があるように振る舞うからタチが悪い。主観なら主観らしく、自分だけの "良い◯◯" 像に近づけるように自由に生きていきたいものである。
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