ヒムロ

哀愁しんでれらのヒムロのレビュー・感想・評価

哀愁しんでれら(2021年製作の映画)
3.7
ーーー女の子は誰でも漠然とした一つの不安を抱えている。「私は幸せになれるのだろうか?」
幼い頃、母に捨てられた過去を持つ小春は父と妹と祖父と共に実家の自転車屋で暮らし、児童相談所で働いている。
ある晩度重なる不幸によって全てを失った小春は線路に横たわる男を見つけ介抱する。
その男、大悟は医者で娘と二人で暮らす男やもめ。
大悟の命を救った事によって小春の人生は急変、シンデレラストーリーが始まっていく。


転がり落ちるように人生がめちゃくちゃになってからトントン拍子で階段を登っていく展開が、丁寧ながらもテンポが良く見やすい。
少し不幸具合が足りないんじゃないかと思っていたがその辺が上手いこと後半にフックとして効いてくるのが良い展開。

幸せな描写の中にもぽつぽつと気持ち悪さを残して残して、ずっと胸焼けのように不快感を感じながら見ることになる演出が素晴らしい。
田中圭さんの演技力とビー玉のような目がいい味を出している。



ラストのオチは脚本としてのフリ落ちは素晴らしいが「そうはならんやろ」というような感じで少しがっかりだった。
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