アフリカ系の心理学者が社会実験と称して、ある目的のための完全犯罪を行う映画。
序盤はやたら白人保安官を挑発するアフリカ系の人にイラッとしますが白人保安官も白人保安官でなかなかに差別的です。さらに気を遣っているつもりの人も奥底では壁を作っていることを炙り出されます。言葉尻を捉えて差別主義者を炙り出すスタイルはとても参考になります。こういう人が差別を「発見」して他人事の怒りを増幅するから差別はいつまでもなくならないんだと思ってしまいそうです。この辺りはかなり不穏な空気が漂っていて後の展開に期待が持てます。
中盤は銀行強盗自体も含めて社会実験であると言うネタばらしを回想シーンを細切れにして視聴者に対して行います。この辺りの構成はごちゃごちゃしていて時系列がわかりにくくて混乱しやすいです。
ラストは、トラブルでアフリカ系の心理学者の計画が崩れて、差別主義者の白人保安官たちに追い込まれて全てを奪われそうになるのだが、、、という展開です。
ラストでわかりやすいどんでん返しがあるか、お金を手にした人に対する伏線が自然な形で出ていれば、この映画の評価も違ったのでしょうが、すっきりしない終わり方をします。
教授には眼鏡が必須?眼鏡のこだわり。
アフリカ系が車に鍵をかけるのは失礼!白人様を疑うな!
犯罪をしてでも子供を救う親子愛?
子供のためなら死んでもいい?
裏社会にも精通している心理学者!
バレなきゃ大丈夫!カネは白人保安官様のものだ!
アフリカ系は見分けがつかないし、黒こげになったらなおさら分からない!
結局は犯罪行為で手にしたお金を奪い合うという内容を差別問題も絡めて映画にしたから、評価が低いのかなーと思いました。全体に漂う不気味な雰囲気はいいのですがエンタメ性もキャラクター性も刺激も薄味なため、惜しいという評価になる作品でした。