くじら

サスペクト 偽りの事件のくじらのネタバレレビュー・内容・結末

サスペクト 偽りの事件(2013年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

 黒人に対する白人の差別意識に対する社会実験なのかと思って見始めたら段々明らかになっていく真相にドキドキした。

あらすじ
 アメリカの保守的な田舎町で黒人による銀行強盗が起きたため、地元の人間ではない黒人の男が取り調べを受ける。何故かカメラが回っていることにこだわる容疑者。そして白人の警官たちの差別意識が態度や言葉に表れる。警官たちは誰も強盗の顔を見ていないのに容疑者が犯人だと証言させようとしていた。
 時間がきて容疑者が語り始める。実はこれは2人の黒人大学教授による社会実験で、他の町でも行ってきた調査だと。いつも金はこの時間になると強盗役がお金を持ってきて調査の真相を話すのだと。しかし何故か今回は強盗役の方が来ないと。そこで警察官2人はその話のウラを取るため容疑者を連れて宿泊したホテルなどを回る。そこから強盗役の教授が金を戻すために車に乗っていて事故した現場にたどり着く。
 しかし実はこの実験は今回強盗役をした教授が娘に高価な手術を受けさせるために行ったものだった。実は返した現金は偽札にすり替えていたのだった。
 事故現場は崖?の下のため、警官たちは容疑者に降りさせて取りに行かせる。友人の強盗役の教授は車の中で死んでいた。警官たちは金だけを上に上げさせ、容疑者は車の爆発に巻き込まれて死んでしまう。最後のやり取りで警官たちはこれが偽札だと悟る。しかし写真から娘の手術費用だと察したのか、最後強盗役の教授の家で子どもが手術できるようになって終わり。

感想
 黒人であるというだけで疑われ、人権や尊厳を踏み躙られるということがよく出ていた。今のBLMで特に問題となる白人警察官による差別の実態が頷ける。
 しかしそれを利用して実験にし、娘のために金を作ろうと画策するのも差別へのカウンターとして物語を作っているなと思った。警察官とのやり取りもだが、強盗役の教授が車の鍵を閉めただけで隣に駐車していた白人カップルにタイヤにドライバーを刺されるのも差別意識の表れのように感じた。でも最後のシーンは子どもを思う気持ちは誰にでも分かるということなのかなと思った。それで救われるとは思わないけど。
くじら

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