ろーしゃーく

アオラレのろーしゃーくのレビュー・感想・評価

アオラレ(2020年製作の映画)
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個人的なコンディションというかテンションもあって、割と期待して観に行ったんですが、結果として今ひとつ乗り切れない感じになってしまいました。
"ラッセル・クロウ扮する狂人に追いかけられるホラー"を期待してたんですが、やや毛色が違ったというか…。

まず、ヒロインがラッセル・クロウ演じるイカれ男程でないにしろ、なかなかにUnhinged(原題)で独善的だったりするので、心底どっちもどっちに思えてしまうという。"争いは同じレベルでしか起こり得ない"とかいう詭弁じゃないけれど、正直あんたもどうかと思うよ?という。ラストとか「弟が無事で良かった!」とか言っとるけど、彼の婚約者死んどるからね?というように全編に溢れているクレイジーさ。

また、重大事のように散りばめられつつも決して掘り下げられない社会問題的な記号の数々も、中途半端にラッセル・クロウが体現する狂人側に寄り添う要素となってしまっていて正直ノイズでしかない。こういったテイストの映画には「世の中にはイカれた奴がいて、めちゃ怖い」という事を求めているのであって、向こう側の論理なんて理解出来なくていいんだよ、と思う。
運転しながら化粧している女性(その行為自体は確かにどうかとは思うけれど)をいきなり巻き込んで殺したりとか、作り手側が狂人目線にまぁまぁ寄り添ってるのが本当に邪魔に思いました。

あとは、終盤折角一旦巻いたのに息子共々割と正面から迎え撃つって、悪手にしか思えないんですが…という。折角巻いたなら車ごと隠密&通報という比較的安全策を取るか、車で誘き寄せて警備会社に通報する作戦ならせめて2人は近所の家にでも何でも隠れておけや、と思うのは普通ではなかろうか。そういう所からも割とどうでもよくなってきちゃうんですよねー。

ヒロインの彼女なりの、ラッセル・クロウに対する"礼儀"は良かったですけどね
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