わふる

アオラレのわふるのレビュー・感想・評価

アオラレ(2020年製作の映画)
3.6
意外と社会派映画

ラッセル・クロウの粗暴に目が行きがちだが、彼の置かれていた状況や、元はと言えば主人公がクラクションを鳴らしたことが原因で煽りに発展して行ったことを踏まえれば一概にラッセル・クロウが悪いとは言えない。

ラッセル・クロウは社会に不平不満が募っていたであろうことは言うまでもないが、主人公に関しては自業自得でイライラが溜まっていっていた節がある。そんな自業自得で溜めたイライラが主人公にクラクションを鳴らせ、それが原因でラッセル・クロウの復讐に会う。

これらを踏まえると、全部主人公の自業自得でラッセル・クロウはそれほど悪くないのではないかと思う。

映画内では主人公目線でラッセル・クロウが悪者のように描かれている。確かに彼のやっていることは犯罪でありクラクションを鳴らされたことに対する報復としては度が過ぎているので悪者であることに間違いは無い。しかし、彼の置かれていた状況を踏まえると、どうも可愛そうで仕方がないのだ。

この映画を一言でまとめるならば、社会でイライラを溜めた人間を刺激すると痛い目にあうといった所だろう。これは現代社会にも言えることである。安易にクラクションを鳴らしラッセル・クロウを刺激したせいで思わぬ報復にあった主人公は、明日の我々かもしれない。イライラが募る、今の日本のような社会を生きる私にはどうも他人事とは思えなかった。そういった点でアオラレは社会派映画と言える。ストレスは溜め込みたくないものだ。
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